使徒 28章 「彼は朝から晩まで語り続けた。神の国のことをあかしし、・・・。」 (使徒 28:23) パウロたちが救われたのはマルタ島でした。島の人たちは火をたいて漂流民をもてなしてくれました。柴をくべていたパウロの手にまむしが取りつくと島の人は彼は極悪人だと言い、彼に何ごとも起こらないと今度は神さまだと言いました。世の人々の評価はこんなものです。パウロは島の首長ポプリオの父を癒し他の病人も癒しました。同行していた医者ルカも大いに働いたことでしょう。主の民はどんなときでも人々のために仕えるのだという模範を見ます。その後パウロの一行はあちこちで兄弟たちに会いながら、ローマに向かいました。同行していた百人隊長たちはクリスチャンの交わりの姿をよく見たことでしょう。生活を通しての証が大切だと示されます。ローマに着くと、パウロは、その地のユダヤ人たちを招いて、彼がローマに送られてきた事情を説明し、神の国のことを証し、イエスさまのことを語りました。ユダヤ人の多くの者が彼の語ることを信じないのを見ると、神の救いは異邦人に送られる、と宣言しました。そして、自費で借りた家でイエスさまのことを語り続けました。主のお示し(19:21)の成就を見ます。彼の証によってどれだけの信者が出たかは記されていません。パウロの証はやがてローマ皇帝ネロの前での弁論となったと思われますが、ネロがどう反応したかはわかりません。ただ彼がキリスト教迫害者であったことは歴史の示すところです。主から命じられているのはイエスさまを証することで、聞いた人が信じるか信じないかは主とその人の問題だと認め、ただ主の証に励め、と示されます。
唄野 隆 |