使徒 27章 「恐れてはいけません。パウロ。あなたは必ずカイザルの前に立ちます。」 (使徒 27:24) ローマの総督も、アグリッパ王も、パウロは無罪だと認めましたが、パウロがカイザルに上訴していたので、彼をローマに送り出すことになり、百人隊長ユリアスの手に託されました。パウロはローマ市民でしたし、彼と会って尊敬を覚えるようになったのでしょう、ユリアスはパウロを大事に扱いました。マケドニア人アリスタルコの同行を許し、シドンでもその地の友人を訪ねる自由を与えました。彼らはカイザリヤを出てキプロスの島陰から今のトルコの南の海上を西に進み、ミラで舟を乗り換え、クレテの海岸に沿って西に進みました。ラサヤで、パウロはこれ以上の航海は危険だと進言しましたが、百人隊長は航海士や船長の方を信じて、出帆しました。ところがユーラクロンという暴風が襲ってきて、船は危険にさらされ、積荷も船具も捨てて流されるままに任せなければならなくなりました。みな生きる望みを失う状況でした。そのとき、パウロが、船員、乗客みんなに、「昨夜、私の主で、私の仕えている神の御使いが、私の前に立って、こう言いました。『恐れてはいけません。パウロ。あなたは必ずカイザルの前に立ちます。そして、神はあなたと同船している人々をみな、あなたにお与えになったのです。』ですから、皆さん元気を出しなさい。」と言いました。パウロをカイザルの前に立たせる主のみこころが心に迫り、そのことを知り確信していたパウロの信仰の確かさに打たれます。「私たちも、このような歩みに導いてください。」と祈りました。
唄野 隆 |