使徒 22章 「あなたはその方のために、すべての人に対して、あなたの見たこと、聞いたことの証人とされるのです。」 (使徒 22:15) パウロは、エルサレム教会の長老たちの勧めに従い、律法の請願を立てる人を助け、自分も身をきよめることでユダヤ人の敵意をなだめようとしましたが、それは功を奏さず、彼を見かけたユダヤ人が激しく彼に押し迫り、ローマの軍隊によってようやく救い出される有様でした。そういう中で、彼は、ローマの千人隊長の許可を得て、ユダヤ人に語りかけました。何としても彼らの反対を鎮め、異邦人教会との一致を生み出したいという彼の熱意が迫ってくるのを覚えます。パウロは、“かつて自分は、今のユダヤ人のように、ユダヤ教に熱心で、イエスさまを信じる者の迫害者でもあったが、ダマスコ近くでイエスさまの語りかけを聞き、アナニヤから、先祖の神がパウロに現われ御声を聞かせられたのは、彼がすべての人に対して自分の見たこと聞いたことを証しするためだ、と聞かされて、イエスさまを信じるようになった”と語りました。ここまでは、ユダヤ人はパウロの話を聞いていましたが、主が彼を異邦人に遣わすと言われたことを告げると、“こんな者は生かしておくな、地上からのぞいてしまえ”と荒れ狂いました。自分たちではなく、自分が汚れていると蔑んでいる者が顧みられたと聞くときのねたみ心は恐ろしいものです。これは、人間的な手立てではどうにもなりません。御霊が働くときしか、変われないものです。しかし、パウロはそのようにして変えられたのです。主にあっては、なお望みがあります。それを信じて主を証しようと思います。
唄野 隆 |