使徒 21章 「パウロは彼の奉仕を通して神が異邦人の間でなさったことを、一つ一つ話し出した。彼等はそれを聞いて神をほめたたえ、・・・。」 (使徒 21:19,20) イエスさまは、復活して天に昇られるとき、聖霊が弟子たちに臨み、彼らは力を受け、エルサレムとユダヤ、サマリヤの全土、および地の果てにまで、イエスさまの証人となる、と言われました(1:8)。おことば通り聖霊が下り、エルサレムに教会が誕生し、迫害が起こって信者たちが各地に散らされると、彼らの証を通して異邦人の間にも福音が伝わりました。こうしてアンテオケに異邦人教会が誕生し、バルナバと共に、パウロは異邦人伝道の召しを受け、異邦人に福音を伝えました。三回にわたる伝道旅行の結果、異邦人社会に多くの教会が誕生しました。しかし、ユダヤ人クリスチャンの中には、自分たちが神の選民だという自負心に捕らわれ、ユダヤの伝統に従わない異邦人教会に反対する人がいました。そういう状況の中で、パウロは、異邦人教会とエルサレムのユダヤ人教会との一致を育てるために、異邦人教会の代表者を連れてエルサレムに上ろうとしたようです。それが、御霊の示しにより、マケドニア、アカヤを経てエルサレムに行こうと決心した(19:21)ことの背景ではなかったかと思われます。サタンにとって、教会の一致は困ります。ですから、サタンは必死になってその計画をつぶそうとします。パウロのエルサレム行きは激しい霊の世界の戦いの中で進んでいたのです。その中で、パウロは、ただ、主が異邦人社会の中でなさった御業だけを語りました。主にのみ目を向けることが、サタンに打ち勝ち、教会の一致を育てる道なのです。
唄野 隆 |