使徒 17章 「キリストは苦しみを受け、死者の中からよみがえらなければならないことを説明し、また論証して、・・・。」 (使徒 17:3) パウロの一行は、ピリピからテサロニケへ進み、そこで、パウロは、ユダヤ人の会堂に入り、三つの安息日にわたって、聖書に基づき、彼らと論じ、“キリストは苦しみを受け、死者の中からよみがえらなければならないことを説明し、論証し、彼が伝えているのがそのキリストなのだ”と語りました。キリストの受難と復活こそが福音の核心なのだ、と示されます。そのことがはっきりと伝えられると、信ずる者が起こされます。ユダヤ人だけでなく、ギリシャ人も信じるようになります。キリストの福音はだれにでも開かれており、すべての人が聞いて救われる福音なのです。しかし反面、激しい反対者も起こります。キリストの福音は神を主とするものですから、自分を主とする人々は激しく反対するのです。テサロニケの信者たちはパウロとシラスをベレヤに連れて行きましたが、そこのユダヤ人は聖書に基づいて彼らの語ることを調べ、信仰に入る人が多く、またギリシャ人で信じるようになった人々も出ました。しかし、テサロニケの反対者がベレヤまで迫害の手を伸ばしてきたので、パウロはアテネへ送り出されました。そこで、彼は、アテネの人々にも神を求める心があることを認め、彼らに語りました。聖書の背景の全くない人々には、彼は、神が超越者であることを語り、人にいのちを与え、生かしてくださる御方であることを説明し、彼らに神を求めさせようとしました。しかし、主の復活を受け入れる人は少数でした。それが現実なのだ、と受け止めます。
唄野 隆 |