今日の聖書一日一章からのメッセージです
2021年9月7日(火曜日) 堺大浜キリスト教会聖書一日一章 イザヤ書 23章 「七十年がたつと、主はツロを顧みられるので、・・・。」 (イザヤ書 23:17) ツロにたいするさばきの宣告です。ツロはイスラエルの北の地中海岸にある島の上に建っていた海洋国家で、その北にあったシドンとともに地中海貿易で莫大な富を稼ぎ、その経済力で、当時の地中海世界で王者のように栄え、その貿易商人たちは大きな尊敬を払われていました。彼らはシホル、つまりナイル川流域のエジプトと、タルシシュという良港を擁するスペインを結んで、自分では作らない産物の仲介貿易で大きな富を得ていました。「私は産みの苦しみをせず、子を産まず、若い男を育てず、若い娘を養ったこともない」というのは、自国のものではなく他国の産物で栄えた、ということの象徴的表現です。また、遊女の報酬を求める淫行というのも、自分が苦労して収穫を得るのでなく、歓楽を提供してお金を得ることを示しています。そのシドンの船団がキテイム、つまりキプロス島に来たとき、ツロの滅亡のニュースを聞いたのです。かつてカルデヤ人の国を滅ぼし荒野としたアッシリヤがツロに襲いかかって滅ぼしてしまう、と宣告されたのです。「お前たちが誇りとした町」とか「麗しい誇り」ということばから、彼らの誇りが滅びをもたらしたのだと推察されます。しかし、不思議なことに70年後、主がツロを顧み、ツロは回復され、再び貿易で富を得る、と言われます。しかし、その富は以前のようにツロ自身の栄誉と快楽のためではなく、主にささげられ、主の御前に住む者たちのために用いられます。主の主権の下で主にささげたものが主の民のために用いられるようになるというのは素晴らしい再生ではないでしょうか。 唄野隆 |