聖書一日一章メッセージ集



堺大浜キリスト教会聖書一日一章

                         オバデヤ書

「王権は主のものとなる。」
                      (オバデヤ書 21)

 オバデヤ書は、預言者オバデヤに与えられたエドムにたいするさばきとユダの救いの預言です。オバデヤがどういう人物であったか、いつの頃この書が書かれたか、確かなことはわかっていません。ただ、エドムがイスラエルを辱め、苦しめたことで、エドムをさばく、と主が宣告されたことは明らかです。エドムはイスラエルとユダの先祖ヤコブの兄エサウの子孫で、ユダとは兄弟関係にありました。ですから、エルサレムが苦しむときは、エドムは同情し助けるのが当然だったのに、彼等は、エルサレムの不幸を喜び、その惨状を見てみぬふりをし、かえって嘲り笑い、どさくさに紛れて、その財宝を奪いさえしました。その無情さを主は怒り、彼らをさばくと言われたのです。それは、イスラエルとユダにたいする主の深い愛の裏返しでした。ご自身の民に害を及ぼす者を打つことの背後に、ご自分の民への主の深い愛がうかがえます。エドムの無情は彼らの高慢と結びついていました。彼等は岩の裂け目の要害堅固な町に住み、強力な同盟者を持ち、知恵と英知をもっていると誇っていました。しかし、高慢は自分自身の本当の姿を知ることを妨げます。「彼等はそれを悟らない。」と言われているとおりです。自分自身を知るのは主を知ることと重なっているのです。エドムは、高い岩の裂け目から引きずり下ろされ、同盟者に裏切られ、知恵も英知も奪われて、滅びます。しかし、シオンは聖地となり、捕らわれ人は帰り、周辺諸国を治めるようになり、王権が主のものとなります。主が主となることがすべの幸いの基だ、と示されます。

                            唄野隆



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