聖書一日一章メッセージ集
堺大浜キリスト教会聖書一日一章 「すべての国々の民よ。聞け。地と、それに満ちるものよ。耳を傾けよ。」 (ミカ1:2) 今日からミカ書です。ミカは紀元前8世紀の後半、イザヤとほぼ同じ時代の預言者です。それ以前、北イスラエル王国はヤロブアム2世の下で、南ユダ王国はウジヤ王の下で、ソロモン王時代以来の繁栄を謳歌していましたが、その時代が過ぎて、北イスラエル王国も南ユダ王国もアッシリヤの脅威にさらされるようになった、そういう状況が、ミカの預言の背景となっています。 今日の1章の1節の後半、あるいは5節で、北イスラエル王国の都サマリヤ、南ユダ王国の都エルサレムの名前が挙げられているように、ミカの預言は北イスラエル王国と南ユダ王国の両方の滅亡を宣告するものでした。さらに、今日の1章の2節を見ますと、国々の民が、その預言を聞くように呼びかけられていますし、4節の表現は北イスラエルがアッシリヤに、南ユダがバビロンに滅ぼされるということ以上の天変地異を示唆しています。つまり、ミカはここで、北イスラエル王国と南ユダ王国の滅亡は、やがて全ての国々に神様の裁きが下ることの予告である、ということを語っているわけです。主、と呼ばれるイスラエルの神様が、神の民であるイスラエル民族を越えて、全世界の歴史を支配されるお方である、ということがここでは当然の前提とされているわけです。 私たちはともすれば、自分の現在の立場からだけ神様を見て、神様はこんな目に自分を会わせるとか、神様はこんなこともしてくれないとか考えてしまいがちではないでしょうか。しかし、そうではなくて、全世界の歴史を動かしておられるお方のその壮大なご計画に自分のような者も用いられようとしていることに恐れと感謝をもって心を向けようではありませんか。 中谷建晴 |