聖書一日一章メッセージ集



堺大浜キリスト教会聖書一日一章

                        ミカ書 1章

「すべての国々の民よ。聞け。地と、それに満ちるものよ。耳を傾けよ。」
                       (ミカ書 1:2)

 1節に示されている王たちの名前から、ミカはイザヤとほぼ同時代の預言者であることがわかります。またモレシェテ人、つまりペリシテとの国境に近い地方出身者でしたから、身分は低かったと思われます。ユダの王族出身のイザヤは、外交などユダの国としての歩みについて預言しましたが、ミカは民衆の目線でイスラエルやユダの堕落を責めました。彼は、イスラエルのそむきはサマリヤにより、ユダの偶像崇拝はエルサレムで見られる、とイスラエルとユダを告発します。サマリヤについては、“刻んだ像、そむきの偶像のため、遊女の儲けのゆえに、厳しいさばきを臨ませる”と宣告されます。北イスラエルが、偶像礼拝にのめりこみ、民の、また周辺諸国の欲望を利用した不正な商いで富を稼いだことを責めたのです。現代の、おかね第一の姿勢、不正な投機やマネーゲームで一攫千金を夢見る経済活動などに通じる歩みでした。主はその罪がユダに及ばないように望まれましたが、実際には「それはユダにまで及び、わたしの民の門、エルサレムにまで達する」と言われるまでになりました。ユダの罪は要塞都市キシュから始まったとミカは言います。彼らに「戦車に早馬をつなげ」と言われたことばは、ソロモンがエジプトから軍馬を輸入し主ではなく武力に頼る歩みがユダに入ったことを示唆しているように思えます。その結果は滅びと荒廃です。主を第一にせず、偶像に心を向け、人の力に頼り、目に見える利益にたましいを奪われる歩みは、厳しいさばきを受け、滅びを招くのです。これはすべての者が聴くべきメッセージです。
                     
                             唄野隆



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