聖書一日一章メッセージ集
堺大浜キリスト教会聖書一日一章 哀歌 1章 「主よ。ご覧ください。私は苦しみ、私のはらわたは煮え返り、私の心は私のうちで転倒しています。私が逆らい続けたからです。」 (哀歌 1:20) 出だしの「ああ」という嘆きのことばがこの書がどういう書であるかを示しています。エルサレムの滅亡を見て嘆く悲しみの歌なのです。伝統的にエレミヤが書いたとされてきましたが、はっきりしたことはわかりません。ヘブル語のアルファベットにしたがってたくみに歌い上げられた極めて技巧的な詩だそうですが、ことばのあやは私にはわかりません。しかし、作者の悲しみと信仰は痛いほど伝わってきます。彼は、まず、エルサレムを、かつては女王であった女性が今は友にも裏切られ、打たれ、捕えられ、落ちぶれた姿に託して、エルサレム滅亡の悲惨さを深い嘆きをもって歌います。そして、続いて、“そのエルサレムに、かつては主の民に加わることを禁じられていた異邦の敵が攻め入り、徹底的にエルサレムを破壊し、ユダの民を踏み潰した、しかも、それは主の怒りによることであって、避けられないことなのだ”と悲しみ歌います。主の御手から自分を救い出すことのできる者はどこにもいません。エルサレムは絶望的です。哀歌の作者は、さらに続けて歌います。苦しみの中で、彼は、あきらめ落ち込んで黙り込むのでなく、主に向かって、叫び、祈りました。「主よ。ご覧ください。私は苦しみ、私のはらわたは煮え返り、私の心は私のうちで転倒しています。私が逆らい続けたからです。」すべて自分の罪ゆえだと告白し、それでも主に向かって祈り叫んだこの祈りに、彼の謙虚さと深い信仰が認められます。主は彼の祈りをどう聞かれたでしょうか。 唄野隆 |