一日一章　ヨナ書4章　中谷建晴

堺大浜キリスト教会聖書一日一章

｢『あなたは当然のことのように怒るのか｡』｣ (ヨナ4:4)

今日のヨナ書4章では､神様がニネベの町を滅ぼすことを思い止まったことに対して､ヨナが激しい憤りを抱いたことが記されています｡
3章に書かれていたように､ヨナを通しての神様の裁きの宣告を聞いて､ニネベ中の人々が悔い改めようとしました｡3章の最後に書かれていたように､神様はニネベの人々のその態度を見て､ニネベの町を滅ぼすことを思い止まられましたが､ヨナがこのことに対して随分気を悪くし､神様に対して文句を言っている､その様子が今日の4章では描かれているわけです｡
2節から3節でヨナは自分の預言した言葉が実現しなかった､自分が預言者としての面目を失った､と神様に文句を言っています｡2節の後半でヨナは､｢神様はすぐにひどい罪人でも赦してしまう｣と神様を責めていますが､実の所､そういう神様の憐れみによって､他ならぬ自分が赦されていることを忘れてしまっているわけです｡私たちも､自分が神様の憐れみによってかろうじて赦していただいたものであることを忘れて､人の罪をとやかく言っている､というようなことはないでしょうか｡
また､神様に対して文句を言うこのヨナの態度の中には､自分の思っている通りに神様はするべきだ､という傲慢な姿勢があるわけですが､ヨナはそのことにも気づこうとしませんでした｡しかしながら､神様はヨナが自分の間違いに気づくために､優しく､また､目に見える例を示して､丁寧に語りかけ続けて下さっています｡
同じように､神様は､私たちに､深い忍耐と寛容を持って語り続けて下さっているのです｡その神様の忍耐を軽んじることなく､悔い改め､へりくだって､主の御心を第一とする者､そして､そうする者だけが味わい知ることのできる苛立ちや不満からの解放､平安と喜びに与かる者とならせていただきましょう｡

中谷建晴