聖書一日一章メッセージ集



堺大浜キリスト教会聖書一日一章

                       ヨエル書 1章

「長老たちとこの国に住むすべての者を、あなたがたの神、主の宮に集め、主に向かって叫べ。」
                     (ヨエル書 1:14)

 ヨエルに与えられた主のことばです。このヨエルについては他に全く言及がないので、この預言書の背景は明らかではありませんが、その内容から、恐るべき災害で国土が荒廃に帰し、その中で、主に立ち返ることが勧められているということはわかります。“いなごやばったがイスラエル全土を覆い、農作物はすべて食い荒らされ、日々の食料も礼拝のためのいけにえも絶え果てる”という惨状でした。「一つの国民がわたしの国に攻め上った。」というのも、その軍勢が荒らし奪ったものが城や王宮、武器、財宝ではなく、森や畑、穀物や果物ですから、外国の軍隊の侵攻というより、いなごの大群が全土を覆い、すべての森林、果樹園、農地、牧草地を荒らしたのだ、と考えることができます。他方、戦争で荒廃したときも、飢饉や疫病が襲います。私たちの生活も、戦争や暴動、経済破綻、あるいは地震や津波、洪水など、思いもかけない大災害に荒らされることがあります。そのとき、私たちは、目に見えるところだけ問題にし、政府や当事者の対策不足をあげつらうか、嘆き悲しんで落ち込むか、励ましあって復興の努力をするかしますが、ヨエルは、主に目を向け、災害の奥に主の御手を認め、悔い改めて、主に立ち返ることを勧め、「主よ。私はあなたに呼び求めます。火が荒野の牧草地を焼き尽くし、炎が野のすべての木をなめつくしました。」と悔い改めの祈りを捧げ、激しい苦しみを訴えたのです。苦しみに遭ったとき、私たちもそうありたいと思います。

                           唄野隆 



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