聖書一日一章メッセージ集


堺大浜キリスト教会聖書一日一章

「モアブは、ケモシュのために恥を見る。」 (エレミヤ48:13)

今日のエレミヤ書48章では、モアブに対する裁きが預言されています。モアブはアブラハムの甥ロトを先祖とする民族で、死海の東側に住み、イスラエルの民とはしばしば敵対関係にありました。エレミヤの時代にも、バビロンの手先としてユダの国を略奪したりしましたが、南ユダ王国最後の王ゼデキヤの時には、南ユダ王国と共に、バビロンに対する反逆を企て、戦いに敗れ、滅ぼされ、それ以降、国としては存在しなくなってしまいました。
11節にあるように、モアブは、イスラエル民族がエジプトからやって来る以前から死海の東側に住んでいましたし、その後も、ユダのように政治的な変動の影響をまともに受けることはあまりありませんでした。しかし、続く12節にあるように、そのモアブにもついに滅ぼされる日が訪れる、というのです。これは、数々の激動を経験しながらも、なお民族として存在し続け、滅亡のたびに、また国を回復し続けたイスラエルの民とは対照的な姿である、と言えるでしょう。平穏無事であるがために、13節にあるようにモアブはケモシュという偶像を拝むことを続け、また29節や30節にあるようにおごり高ぶり続け、結局、決定的な破滅を迎えることになってしまったわけです。
私たちは時として自分よりも平穏無事な人生を送っているように見える人を羨ましく思ってしまいがちですが、平穏無事であることで、自分の生き方の間違いに気づくことなく、そのまま滅びに向かってしまうとしたら、それは結局の所、羨むべきこととは言えません。逆に、私たちが経験する様々な困難は、それらを通して、私たちを正しい方向に導こうする、神様のご愛の現れなのです。だとするならば、困難もまた、感謝なのではないでしょうか。

 中谷建晴



Copyright© Sakai Ohama Christ Church All rights reserved.