聖書一日一章メッセージ集
堺大浜キリスト教会聖書一日一章 「あなたは自分のために大きなことを求めるのか。求めるな。」 (エレミヤ45:5) 今日のエレミヤ書45章は、ユダの国とエルサレムの破滅がまだまだ差し迫ったものではなかった頃に、エレミヤの書記、バルクに向かって、神様が語られたお言葉です。 バルクはユダの国の中では名門の家の出であったようです。第二歴代誌34章8節によると、おじいさんのマアセヤは、エルサレムの市長のような立場にあったようですし、エレミヤ書51章59節からは、バルクの兄弟のセラヤはバビロンに捕囚として連れ去られるゼデキヤ王の側近の中でも、一番上の立場にあったことがわかります。 今日のエレミヤ書45章の預言の言葉は、36章に記録されている出来事の直後のもののようですが、36章の19節を見ますと、バルクがエレミヤと共に命を狙われ、身を隠さなければならなくなっていることがわかります。これは、そういう名門の出であるバルクにとっては考えられないような、悲惨な状況であったようです。3節に引用されているバルク自身の言葉はその彼の心の内をよく表しているように思われます。あるいは、自分も、高い地位に着きたいという願いや、エレミヤの下にいるのならばせめて自分も預言者として際立った働きをしたいという願いがバルクにもあったのかもしれません。 しかし、そのバルクに神様は4節から5節で「イスラエル全土が徹底的に破滅させられるのだから自分のために大きなことを求めるな」とおっしゃいます。神様の裁きがどれほど恐ろしいものか、そして、そこから免れさせていただくことがどれほど大きな恵みか、ということに比べるならば、この地上における地位や名誉はほんのささいなことに過ぎないというのです。 そのことを心に留め、永遠の命に与からせていただいていることの大きさに心を向け、感謝のうちを歩む者とならせていただきましょう。 中谷建晴 |