聖書一日一章メッセージ集
堺大浜キリスト教会聖書一日一章 エレミヤ書 12章 「それでも、あなたのさばきについて、一つのことを私はあなたに聞きたいのです。」 (エレミヤ書 12:1) 11章の終わりの、エレミヤと同郷のアナトテの人たちがエレミヤを裏切り彼を除こうとした記事に続いて、12章では、そのアナトテの人たちが、神さまのことを口にしながら心は主から遠く離れ、主の預言者を殺そうとしたのに栄えているのを見て、いらだち、彼らのさばきを求めたエレミヤの祈りを記しています。「敵をも愛せよ。」と言われたイエスさま(マタイ5:44)を思うとき、“エレミヤでも!”と驚きを覚えますが、それでもエレミヤの率直さには心を打たれます。納得できない事柄に出会ったときは、神は何をしているのかと神さまをなじったり、神のなさることは測りがたいと悟りすましたようなことを言って流してしまうことが多いものですが、エレミヤは「あなたと論じてもあなたのほうが正しいのです。」と言いつつも、「それでも、あなたのさばきについて、一つのことを私はあなたに聞きたいのです。」と主にぶつかっていきました。彼の謙虚さ、率直さ、信頼に打たれます。そのとき主は“これぐらいのことでいらだっているようなら、どうしてエルサレムとユダの滅亡、捕囚などの厳しいさばきの預言を語ることができようか”とエレミヤをたしなめながら、“イスラエルをさばくために用いられる異邦の民もまた捕囚の苦しみを受けるが、主は彼らをも憐れみ、彼らが主を見上げるようになったら彼らもイスラエルとともに救われる”と驚くべき救いの世界を語られました。信じて聞くエレミヤに主は憐れみ深い御本心を示されたのです。 唄野隆 |