聖書一日一章メッセージ集
堺大浜キリスト教会聖書一日一章 「『この宮が廃墟となっているのに、あなたがただけが板張りの家に住むべき時であろうか。』」 (ハガイ1:4) 今日と明日はハガイ書です。ハガイ書は旧約聖書の中では珍しく、詳しい日付が書かれている書物です。ハガイ書は全部で4つの預言から成る書物ですが、1章1節からは、その最初の預言が紀元前520年の8月29日のものであることが、2章10節からは最後の預言が同じ年の12月18日のものであることがわかります。この約4カ月間にわたる預言が記録されているのがこのハガイ書という書物であるわけです。 バビロンが滅亡し、捕らわれの身であったユダヤ人たちは故郷であるパレスチナに帰ることが許されました。その最初の一団が1章1節にも名前の出て来る総督ゼルバベルに率いられて帰って来たのが紀元前537年のことでした。ですから、ハガイが預言した紀元前520年というのは、それから17年後、ということになります。バビロンでそれなりの生活をしていたにもかかわらず、約束の土地、先祖伝来の土地であるとはいえ、何の生活のめどもない、パレスチナの地に敢えて帰って来たわけですから、最初の頃に帰って来たユダヤ人達は、エルサレム神殿を再建し、神様にお仕えしようという必死の思いを持った人達であったと考えられます。しかし、その最初の熱心もさめてしまい、4節で言われているように、自分たちの家を立派に建てることだけに人々が心を奪われるようになってしまっていたという状況がこのハガイの預言の背後にはあったようです。そして、6節から11節では、そのために神様が日照りと不作をもたらしたということが記されています。 私たちもいつの間にか、最初に神様から与えられた志、主への熱い思いを忘れて自分自身のことに心を奪われてしまっているようなことはないでしょうか。ここで言われているように、そこには本当の祝福はないのです。 12節以降で人々がハガイの言葉に聞き従ったように、私たちも主の与えて下さった努めに、本来の使命に、まず励む者、そうして主の祝福に与かる者にならせていただこうではありませんか。 中谷建晴 |