聖書一日一章メッセージ集


堺大浜キリスト教会聖書一日一章

「悪者が自分より正しい者をのみこむとき、なぜ黙っておられるのですか。」 (ハバクク1:13)

今日からハバクク書です。ハバククがどういう人物であったか、はっきりしたことは何もわかっていません。しかし、1章の5節から11節で、カルデヤ人の国、バビロンが力を持つようになることが、とても考えられないこととして預言されていることから、バビロンがエジプトとの戦いに勝って、中東で支配的な力を持つようになる紀元前605年以前、おそらくはアッシリヤが滅亡する紀元前612年よりも前の預言であると考えられています。だとすれば、南ユダ王国がヨシヤという王様の下でそれなりに繁栄をしていた時代がその背景にあったということになります。この時代を最後に南ユダ王国が滅亡への道を突き進む、そういう時代になされた預言がこのハバクク書であるようです。
ハバクク書の特徴は、他の預言者が神様からのメッセージを人々に語り伝えているのとは違って、ハバクク自身と神様との対話という形を取っていることです。
今日の1章の1節から4節では、ハバククが神様に不平を訴えています。ハバククは南ユダ王国の中で、不正や残酷な行いがまかり通っているのはどういうことか、と神様が正しい裁きを下して下さるようにと訴えているわけです。
それに対する神様の答えが5節から11節です。神様は、その南ユダ王国そのものが、やがてカルデヤ人の国バビロンによって滅ぼされる、ということを言われるわけです。
これに対して、12節以降で、ハバククはそれでは正しい裁きが下されたことにはならない。それでは、今度はバビロンが驕り高ぶるだけだとバビロンが南ユダ王国を滅ぼすことの不合理さを訴えるわけです。しかし、こういうやり取りの中でハバククは神様にお出会いして行くわけです。
バビロンが南ユダ王国を滅ぼすことがそうであったように、神様のなさることは時として不当なものに思えることがあります。しかしその時に、だからといって、神様はもう信じられない、と神様に背を向けるのではなく、ハバククのように率直に自分の疑問を神様にぶつけ、そのことを通して、さらに深く神様ご自身を知る者、そうしてより深い神様との交わりの中に生きる者、とならせていただこうではありませんか。

 中谷建晴



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