聖書一日一章メッセージ集
堺大浜キリスト教会聖書一日一章 「ツロよ。『私は全く美しい。』とおまえは言った。」 (エゼキエル27:3) 今日のエゼキエル書27章は、ツロに下される神様の裁きの宣告の続きです。 4節から11節ではツロが豪華な船に譬えられています。ツロは地中海に浮かぶ島の上に築かれた町ですから、船に譬えられるのは、ごく自然なことであったようです。 4節から7節では、その船が当時の中東世界での最高の素材を用いて作られていることになっています。また8節から9節では、フェニキヤ、現在のレバノン、の最高の船乗りたちが乗組員ということになっています。また10節では、世界各地から兵隊を雇っていることになっています。 そういう船にたとえられるように、ツロは豊かであり、また優れた船を持ち、また軍事的にも十分な実力を備えていたようです。 12節から25節まででは、そういうツロの繁栄が貿易によってもたらされたものであったことが描かれています。12節のタルシシュは現在のスペインのことですが、そこに挙げられている地名から、ツロの貿易の相手が地中海世界から中東世界の全域にわたっていたことがわかります。そこから来る取り扱う商品の多さが、ツロの繁栄を生み、支えていたわけです。 3節では、そういうツロが自分のことを「私は美しい」と自画自賛していると言われています。これはツロの人々が、多くの物を持っていることを価値のあることと見做し、誇り高ぶっていることを示唆しています。こういう物質主義と高ぶりがツロが神様の裁きを受ける、根本的な理由であったわけです。 35節から36節では、ツロと取引をしていた国々が、今度は自分がバビロンに滅ぼされるのではないかと恐れ、バビロンに気に入られるために、ツロをあざけるようになることが預言されています。物に頼り、高ぶっている者は、不利になればすぐに裏切られてしまうようなはかない関係しか持てないことが、示唆されているわけです。 私たちは、ツロのように物に頼るのではなく、神様に頼り、神様を第一とし、神様の変わることのないご真実を経験しながら歩む者とならせていただこうではありませんか。 中谷建晴 |