聖書一日一章メッセージ集
堺大浜キリスト教会聖書一日一章 「『かえって、その日は近づき、すべての幻は実現する。』」 (エゼキエル12:23) 今日のエゼキエル書12章から19章までで、神様は、捕囚の人々が抱いている希望がむなしいものであることを語っておられます。 バビロン捕囚は大きく3回に分けることが出来ます。最初は紀元前605年で、この時にはダニエル書の主人公ダニエルたちがバビロンに連れ去られています。次が紀元前597年で、この時、エホヤキン王と一緒にバビロンに連れ去られた捕囚の民の一人がエゼキエルです。3回目が紀元前586年で、この時にはエルサレムの町は徹底的に破壊されてしまいます。12章から19章の預言は8章から11章のエルサレムの幻を見たすぐ後に与えられたもののようですので、紀元前592年すなわち、エルサレムが徹底的に破壊されてしまう5、6年前の預言であったと考えられます。 この時、バビロンに捕囚として連れ去られて来てしまっていた人々はなお、自分たちはすぐにエルサレムに帰ることができるのではないかという希望を持っていたようです。その希望の最大の根拠は、エルサレムの町とその神殿がまだ残っているということでしたが、2節から20節では、エルサレムが徹底的に破壊されることが預言されています。また21節以降では、そういうことがあるにしても、それはまだ先のことであると思っていた人々にそのエルサレムの破滅が間もなくやって来るということが預言されています。 私たちも自分にはこれがあるから大丈夫だ、この人がいるから大丈夫だと目に見えるものや人に希望を置いたり、あるいは、自分にはまだまだ時間が残されている、という風に考えてしまいがちなものです。そのような根拠のない楽観主義は私たちを滅ぼすものです。そうではなくて、いつ神様の御前に立つことがあっても大丈夫なように、キリストによる救いを確かに自分のものとさせていただいておきましょう。 中谷建晴 |