聖書一日一章メッセージ集



堺大浜キリスト教会聖書一日一章

                    エゼキエル書 27章

「おまえのこぎ手はおまえを大海原に連れ出し、東風は海の真中でおまえを打ち破った。」
     (エゼキエル書 27:26)

 ツロにたいするさばきの宣告が哀歌として歌われています。ツロは「海の出入り口」、つまり中東世界から地中海に出る玄関口に位置していました。ツロの商船隊はそこから出て行って、地中海を囲む国々との貿易活動に従事しました。その船は、セニルの木を船板、レバノンの杉を帆柱、エジプトの亜麻布を帆、というように世界各国の材料をもって美しく作られており、シドンの漕ぎ手、ツロの船員、ゲバルの修理工、ペルシャの兵士、というように国際的な広がりをもつ優秀な人々によって動かされていました。貿易相手は、東は今のイラク、イランなどの中東世界、南はエジプト、西はスペインに達しました。そこから知識は広がり、大きな利益を上げることができ、その経済力から先進的な武力を持つこともできました。ツロは美しく、豊かでした。こうして、ツロは、“私は、自分の力と知恵で、海の真中で富を得、大いに栄えた、私は美しく、完全だ”とおごり高ぶりました。この高慢がツロを滅ぼしたのです。主は高慢を喜ばれません。ツロは頼りとした海の真中に連れ出され、その誇りとする商船隊が打ち砕かれるのです。人が何かを誇りとするようになったときは、最も危険なときです。権力を誇りとした者が権力闘争で没落したり、財力を誇った人が破産したりする事件は私たちがよく見聞きすることです。主以外に誇りとすることのできるものは何もありません。「誇るものは主にあって誇れ。」(1コリント1:31)というみことばが心に響きます。

                            唄野隆



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