聖書一日一章メッセージ集
堺大浜キリスト教会聖書一日一章 「そのとき聖所はその権利を取り戻す。」 (ダニエル8:14) 今日のダニエル書8章は、ダニエルが見た、未来の出来事を預言する幻についてです。 昨日の7章でダニエルが見たのはバビロンから、ペルシヤ、アレクサンダー大王とその後継者の国、そしてローマ帝国、と中東世界のその後の歴史を予言する幻でしたが、今日の8章でダニエルが見た幻もそれと内容的には重なる部分が殆どです。但し、今日の8章でダニエルが見た幻の中ではパレスチナ、特にエルサレムで起こる出来事に焦点が当てられているという点に特徴がある、と言えるでしょう。 1節から2節で、ダニエルがバビロンの王から遣わされて、エラムの国の都に来ていたことがわかります。おそらくは、当時勢いを増して来ていたペルシヤに対抗するために、すでにペルシヤの支配下にあったエラムの国に何とか働きかけようとする使節団の一員として遣わされていたのではないか、と想像されます。そういう中でこれからどういう国が中東世界を支配するようになっていくのか、ということが幻を通して、ダニエルに知らされたわけです。 3節から4節の雄羊はペルシヤ王国を指し、その二本の角は、ペルシヤ王国が内部的には、ペルシヤとメディヤの連合国であったことを示唆していると考えられます。 5節から8節の雄やぎは、アレクサンダー大王の王国で、5節の著しく目立つ一本の角とは、アレクサンダー大王その人を指すと考えられます。8節は、アレクサンダーの死後、国が4つに分かれたことを指しています。 9節の「そのうちの一本の角から芽をだした、もう一本の小さな角」は、そのアレクサンダーの後の4つの国のうちの一つのシリヤで、兄セレウコスの息子を殺害して、王位を奪い取った、アンティオコス・エピファネスという人物を指すようです。彼は10節から12節で象徴的に語られているように、再建されたエルサレム神殿の中にゼウスの偶像を立て、神殿を汚します。しかし、14節の2千3百の夕と朝という言葉の通り、その1,150日後に、ユダ・マカベウスによってエルサレム神殿はユダヤ人の手に取り戻されることになるわけです。 ここで言われている通り、エルサレムとその神殿がそうであったように、大きな世の流れに飲み込まれ、踏みにじられてしまうように見えたとしても、私たち、神様の民とされた者にはやがて、必ず回復の時が待っているのです。 テレフォンサービス (072)221−4525 中谷建晴 |