聖書一日一章メッセージ集



堺大浜キリスト教会
聖書一日一章

「何度もあなたがたのところに行こうとしたのですが、今なお妨げられているのです。」(ローマ1:13)

今日からローマ人への手紙です。ローマ人への手紙は、使徒20章3節などから、紀元57年の初期、ギリシャ南部のコリントという町での3カ月間の滞在を終えて、エルサレムに向かう直前にパウロが書いたものであろうと考えられています。
今日の1章の10節・11節で語っているように、パウロはローマ帝国の都であり、当時の世界の中心地であるローマの教会を励ましたいと強く望んでいました。また、それと同時に、15章28節で言っているように、念願である、イスパニヤ、現在のスペインに行って福音を伝えるという働きを理解してもらい、祈り支えてもらうことをローマの教会に期待していたようです。そういったことがあって、パウロはこの手紙を書いたようです。
ローマ人への手紙はパウロの書いた手紙の中でというだけではなく、新約聖書全体の中でも、最も神学的にまとまったもの、救いとは何かということがトータルに語られたものだと言われています。おそらくは、直接訪問したことがある教会なら、面と向かって、大事なこと、基礎的なこととして、話しているので、手紙の中で改めて書く必要のないようなことも、まだ行ったことのないローマの教会には書いて、伝えておく必要があるとパウロが考えたからではないか、と思われます。今日の1章13節などを見ますと、パウロはすでに何度もローマに行こうとしたけれども、道が閉ざされて来たということがわかります。いわば、行きたくても、どうしても行けない、そういう思いの中でパウロが書いたのがこの手紙であったわけです。しかし、パウロが直接行くことができなかったがために、この手紙はそれほど豊かな深い内容のものとなり、その内容ゆえに、アウグスチヌス、ルターなどに決定的な影響を与え、それを通して歴史を変える大きな役割を果たして来たわけです。
私たちも思い通りにならないからといって、絶望したり、やけになったりする必要はないのです。今できることを誠実に果たして行く時、神様はそのことを大いに用いてくださるのです。

中谷建晴




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