聖書一日一章メッセージ集


堺大浜キリスト教会聖書一日一章

「『悔い改めて福音を信じなさい。』」(マルコ1:15)

 今日からマルコの福音書です。マルコの福音書の著者マルコは、ヨハネという別名を持っていた人物で、その母親は、使徒12章12節に出て来る、初期のエルサレム教会の中心的なメンバーであったマリヤであったようです。また、使徒の働き13章の5節や13節からは、パウロとバルナバの第一次伝道旅行の際に彼らの助手に選ばれながらも、途中で逃げ帰った人物であったことがわかります。しかし、ペテロの手紙第一5章13節を見ますと、彼はその後、立ち直って、ローマ皇帝ネロの迫害下、ペテロと共にローマに止まっていたようですが、主としてそのペテロから聞いた、イエス様のことをまとめたのがこのマルコの福音書であるようです。マルコの福音書は4つの福音書の中で最も簡潔なものですが、それと同時に最も古い、他の福音書の元になったものだと考えられています。一旦は、くじけてしまったマルコにその後のキリスト教会の歴史の土台となるこのようなものを書き遺すことが許されたこと、彼がそのような大きな働きを託されたことは、そのこと自体、大きな慰めではないでしょうか。
 今日の1章にもマルコの福音書の特徴である簡潔さがよく現れているように思われます。すなわち、イエス様の誕生の次第、いわゆるクリスマスの出来事は飛ばして、イエス様が公に姿を現わされる直前のバプテスマのヨハネのことからこの福音書は始められています。それだけにイエス様の働きのエッセンスがいきなり読む者の心に飛び込んで来るような書き出しになっています。15節で簡潔に言われていますが、イエス様は神様が直接、この世界を支配される時が間もなく来ようとしているので、今すぐ悔い改めるように。そうでないと、裁かれ、滅ぼされる。まだ門戸は開かれているので、自分の罪を認めて、神様に赦しを請うように、と人々を招かれたのです。私たちも、この招きに応え、赦しに、祝福に与らせていただきましょう。

中谷建晴



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