聖書一日一章メッセージ集![]()
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| 堺大浜キリスト教会聖書一日一章 「大胆に、少しも妨げられることなく、神の国を宣べ伝え、主イエス・キリストのことを教えた。」 (使徒28:31) 今日で使徒の働きは終わりです。この使徒の働きの最後の28章では、パウロがマルタ島に3カ月間滞在した後、シチリヤ島のシラクサを経由して、イタリア半島の先っぽにあるレギオン、少し北にあるポテオリと進み、そこから陸路をたどってローマに到着したこと、ローマ滞在の最初の頃のエピソードなどが記録されています。 1節から10節には、マルタ島で、パウロがまむしにかまれながらも、害を受けなかったという出来事やパウロが島中の病人をなおしたことなどが記されています。漂流の果てに辿りついた島でも、パウロには神様の特別な守りがあり、神様はパウロを通して鮮やかな御業をなされたのです。 たとえそれが、全く思いもよらなかった不本意な場所、不本意な状況であったとしても、神様は信じる者を通して、ご自分の御業をなして下さるのです。どんなに不本意な場所、不本意な状況に置かれているとしても、ただ神様を信じ、神様を見上げて、私たちの思いを越えたその御業に与かる者とならせていただきましょう。 ローマでは、おそらくは手首に鎖はつけられたままであったでしょうが、パウロはかなり自由に人々に福音を伝えることができたようです。ローマでもパウロはいつもそうするように、まずユダヤ人に福音を伝えますが、彼らの反応が芳しくないので、28節で言っているように異邦人へとその働きの相手を変えて行きました。 30節から31節の唐突な終わり方は、著者ルカの関心がパウロという一人の人間の生涯にではなく、どのように世界の都ローマにまで福音が伝わるようになったかという所にあったこと、そこから先、全世界に福音が伝えられるのは、パウロのような誰か特定の人の働きではなく、一人一人のクリスチャンのその場その場での働きの結果である、ということをルカが当然の前提としていたことを示唆しています。私たちも、そのような一人として宣教の業に励む者とならせていただきましょう。 中谷建晴 |