聖書一日一章メッセージ集


堺大浜キリスト教会聖書一日一章

「私が神に願うことは、あなたばかりでなく、きょう私の話を聞いている人がみな、この鎖は別として、私のようになってくださることです。」
(使徒26:29)



今日の使徒の働き26章では、新しいユダヤの総督フェストとユダヤの北、ガリラヤ地方などの王であったアグリッパの前でのパウロの弁明が記録されています。
 昨日の25章の11節から12節で記されていたように、既にパウロがローマにいるローマ皇帝のもとに送られることは決定していましたので、この弁明の席はこれまでのものとは違って、裁判そのものではありませんでした。25章の最後、26節から27節で記されていたように、この弁明の場は、ローマ総督フェストがローマ皇帝に、裁判を行ってもらうために書く書類に必要な情報を得るためのものでしかありませんでした。しかし、法律的にはさして重要ではない、パウロのこの弁明を使徒の働きの著者であるルカは他の弁明よりも詳しく記録しています。おそらくは、ルカ自身がこのパウロの弁明を聴衆の一人として聞いていたため、また、この弁明の内容と31節と32節に記されているそれに対するフェストとアグリッパ王の反応がパウロの無罪を証しし、キリスト教信仰が反社会的なものではない、ということを証明するものであったからだと思われます。
24節でフェストは死者の復活を信じるがゆえに命を危険にさらすパウロを気が狂っていると罵倒し、28節でアグリッパは人々の前で自分の威信を保つために、巧みにパウロの問いかけをかわします。しかし、こういうこの世的な知恵やそつのなさが彼らを救いから遠ざけたものそのものなのです。私たちは、そういうこの世的な知恵やそつのなさを捨てて、ただ素朴にイエス・キリストを信じ、その救いに、その恵みに与からせていただこうではありませんか。


中谷建晴



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