聖書一日一章メッセージ集![]()
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| 堺大浜キリスト教会聖書一日一章 「私はカイザルに上訴します。」 (使徒25:11) 今日の使徒の働きの25章では、パウロが、当時で言えば、最高裁判所に当たるローマ皇帝自身に裁判してもらうことを申し出たことと、その前後の次第が記録されています。 1節には新しくユダヤの総督として赴任して来たフェストが、総督府のあるカイザリヤに着いて3日後には、エルサレムに向かったと記されています。前任者ペリクスは力づくでユダヤ人たちを押さえ付けようとして、反発を食らい、秩序の混乱を招き、総督の座を追われたわけですが、そのペリクスの残した混乱と緊張状態を解消するべく早速フェストは、ユダヤ人の指導者たちのいるエルサレムに上って行ったわけです。 エルサレムでの話し合いの中で、2節から3節に記録されているように、祭司長たちは、パウロの裁判をエルサレムでしてほしいとフェストに願い出ます。しかし、4節から5節に記されているように、フェストは彼らの言い分を不当なものとして退けました。 6節から12節には、翌日、カイザリヤで開かれた裁判の様子が記録されています。その中で、パウロは、エルサレムに戻ることは、ユダヤの最高議会、サンヘドリン、に引き渡されてしまって死刑にされることを意味するであろうこと、かといってこのままではいつフェストの気持ちが変わってエルサレムに送られることになってしまうかわからないことなどを考えて、ローマ皇帝カイザルに上訴することにしました。 パウロにとってはせっぱつまった中で、他に選びようのない決断ではありましたが、このことを通してパウロは長年の願いであったローマ行きを果たし、ローマの教会を励まし、やがて1,000年以上にわたってローマがキリスト教信仰の中心地となるその土台を据えることになるわけです。 同じ様に、人の目から見る時には、苦しい所、せっぱつまった所にしか見えない所を通してでも、神様はそのご計画を進め、私たちをご自身の栄光のために用いて下さるのです。 中谷建晴 |