聖書一日一章メッセージ集![]()
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| 堺大浜キリスト教会聖書一日一章 「『勇気を出しなさい。あなたは、エルサレムでわたしのことをあかししたように、ローマでもあかしをしなければならない。』」 (使徒23:11) 今日の使徒の働き23章では、パウロがユダヤの最高議会、サンヘドリン、に引き出されたものの、サンヘドリン自身が紛糾し、収拾がつかなくなったこと、その後、暗殺の危険があったために、ローマ総督のいる地中海に面したカイザリヤの町に送られるようになったいきさつが記録されています。 1節から2節で、大祭司アナニヤが、有罪と決まったわけでもないのに、パウロをいきなり打とうとしたことが記録されています。3節の最後で、パウロが言っているように、ユダヤの律法では被告人の権利を尊重し、有罪の判決が下るまでは、無罪の者として扱うようにということが定められています。にもかかわらず、大祭司アナニヤは、騒動を引き起こしておきながら何を言うか、とばかりにパウロを打とうとしたわけです。そういった態度が表しているように、このアナニヤは、ローマに対するへつらいと、その暴力的な態度、またその欲の深さで悪名の高い人物で、結局はその後、ユダヤとローマが戦争になった時、裏切り者と見做されて、ユダヤ人仲間に殺されてしまいました。 パウロはここでアナニヤの取ろうとした措置が律法に基づいたものではないことを指摘し、その後、パリサイ人たちとサドカイ人たちの対立をうまく利用してその場を逃れました。また、16節から21節では甥からの情報をうまくローマ軍の司令官に伝えることで暗殺の危険を免れました。 パウロがそうしたように、与えられた知恵や正当な方法を用いて身を守ろうとすることは不信仰ではありません。 11節では、神様がパウロに、あなたにはまだローマで証しをする使命が残されているので殺されることはない、と語って下さったことが記録されています。神様から委ねられている使命を全うするまで、私たちの命は続くのです。いたずらに、先のことを心配するのではなく、与えられた使命に励み、やがて天国で「よくやった。よい忠実な僕だ。」とイエス様から声をかけていただく日を目指して、日々を歩む者とならせていただきましょう。 中谷建晴 |