聖書一日一章メッセージ集
出エジプト記 2章 「神はイスラエル人をご覧になった。神はみこころを留められた。」 (出エジプト記 2:25) エジプトに移住したイスラエル人は多産で、人口が急増し、イスラエルに対するエジプトの警戒心が高まり、イスラエルは苦役を課されました。それでもイスラエル人の増加は止まらず、エジプト王は、イスラエルに生まれる男の子は皆、ナイル川に投げ込んで殺せ、と命じました。そのとき、イスラエルにひとりの男の子が生まれました。あまりのかわいさに、母は、3ヶ月の間かくしましたが、隠し切れなくなって、篭に入れてナイルの葦の茂みの中に置きました。そのときエジプト王の娘が水浴びに来て、その子を見出して憐れに思い、姉の機転でその子はエジプト王女の子とされ、モーセと名づけられ、イスラエルの母のもとで育てられ、成長するとエジプト王女の子としてエジプト最高の教育を与えられました。彼は、イスラエル人を打つエジプト人を見て彼を殺しましたが、イスラエル人の争いを仲裁しようとして、イスラエル人は彼を認めていないことを知り、エジプト王からはいのちを狙われ、ミデアンの砂漠に逃れました。そして、ミデアン人の祭司の娘を妻にし、寄留の生活を過ごしました。彼の熱い同胞愛と正義感は何の救いももたらさず、かえって彼を失意のうち砂漠で逃亡生活を送るようにさせましたが、実は、それは彼を真の解放者とするための主の備えでした。主は人の力によらず、主の御力によってイスラエルを救おうとしておられたのです。主はイスラエルに心を留めておられました。モーセが生き延びることができたのも、挫折し、謙虚にさせられたのも、イスラエルを救うための主の備えだったのです。
唄野 隆 |