聖書一日一章メッセージ集


                       

創世記 44章

「どうか今、このしもべを、あの子の代わりに、あなたさまの奴隷としてとどめ、あの子を兄弟たちと帰らせてください。」

                     (創世記 44:33)

 ヨセフは、兄弟たちに食料を与え、ひそかに銀を返し、ベニヤミンの袋の中に銀の杯を隠し入れて、送り出しました。それから家の管理者を送って、彼らが銀の杯を盗んだと詰問させました。兄たちを接待した時、彼らがすっかり変っているのを見て喜びながらも、もう一押し確かめたかったのでしょうか。ベニヤミンの袋から銀の杯が見つかったとき、ヤコブの子らは、悲嘆にくれ、ヨセフの前に帰りました。そして、ベニヤミンを奴隷として残し他の者は帰ってよい、と言われたとき、ユダが立ち上がりました。彼は、大言壮語や軽率な誓いを用いず、ただありのままの事実をそのまま述べ、自分たちの罪を告白し、父ヤコブは最愛の妻ラケルの残したただ一人の子ベニヤミンを愛していることを伝え、自分が奴隷として残るから、べニヤミンを父のもとに帰らせてほしい、と願いました。先に、彼らがヨセフを奴隷に売ったことの罪を認め始めたとき、ルベンは、私は注意したのにお前たちは聞かなかった、自分には責任はない、と兄弟たちに責任を転嫁し(42:22)、また、ベニヤミンを連れて行かないようにと言い張るヤコブに、もしベニヤミンを連れ戻せなかったら私の二人の子を殺してもよいからベニヤミンを私に任せてくれと申し出ましたが(42:37)、そのときには誰も耳を貸しませんでした。ユダのヨセフに語ったことばは真実で、自分自身をささげきる姿勢がはっきり示されています。捨て身の真実が聞く者の心を打ち、事態の展開を招くのです。

唄野 隆




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