聖書一日一章メッセージ集


                       

創世記 43章

「全能の神がその方に、あなたがたを憐れませてくださるように。・・・私も、失うときには、失うのだ。」

                     (創世記 43:14)

 ヤコブの子どもたちがエジプトから持ち帰った食料が底をつきました。ヤコブはもう一度エジプトへ行って食料を得てくるようにと言いました。そのときユダが、“ベニヤミンを連れて行かなくては食料を手にいれることはできない、ベニヤミンを自分に任せて欲しい、私自身が彼の保証となる”と言いました。先に長男のルベンが、“私は注意したのにあなた方は聞かなかった”(42:22)と後ろ向きの責任転嫁の姿勢を示し、“子どものいのちを保証とするからベニヤミンを任せてほしい”と軽々しく申し出たときは、誰も耳を貸しませんでしたが、ユダの真実な申し出をヤコブは受け入れ、ベニヤミンを彼に委ねました。しかしヤコブはヤコブでした。先に返されていた銀を返し、新しい銀を加え、多くの贈り物を用意するなど、エジプトの管理者の好意を得るための手立てを講じました。しかしこのときのヤコブは信仰者として成長していました。「全能の神がその方に、あなたがたを憐れませてくださるように。そしてもう一人の兄弟とベニヤミンとをあなたがたに返してくださるように。」と主に祈り、「私も、失うときには、失うのだ。」と主にすべてをお委ねする信仰の姿勢を示しました。主はどんなに喜ばれたことでしょうか。しかし彼らはまだ主の救いの全貌がわからず、ヨセフの家で示される好意に戸惑いながら、不安のうちを歩みました。しかし救いはすでに始まっていたのです。私たちの救いもそのように備えられています。そう私は信じます。

唄野 隆




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