聖書一日一章メッセージ集


                       

創世記 37章

「今こそ彼を殺し、どこかの穴に投げ込んで、・・・そして、あれの夢がどうなるかを見ようではないか。」

                     (創世記 37:20)

 「これはヤコブの歴史である。」と書き出されていますが、実際にはヤコブの子どもたちのことが記録されています。人の人生の価値はどんな後継者を残すかによるのです。子どもたちのために祈ることの大切さを思います。ヤコブには12人の子がいましたが、ヤコブはヨセフを特別に愛しました。母リベカの偏愛を受けて育ったヤコブは(25:28)、自分もヨセフを偏愛したのです。それは他の子どもたち、特に、低く見られてきた女奴隷の子たちの激しい憎しみを買いました。多くの子を与えられた親に対する警告として聞きたいと思います。反面、父の愛を独占するように育ったヨセフには、自分も愛されたいのにヨセフが父の愛を独占しているのを見る兄弟たちの寂しさ、ねたみ、怒りがわかりませんでした。自分が高められ、家族みなの上に立つことになるという夢を、得意げに話しました。それが兄たちの怒りを燃えたたせました。幸せに育った者は恵まれなかった人たちの痛みを知る感受性が与えられるよう祈る必要があります。ヨセフは、父から命じられると、何の恐れもなく、兄たちのところに行きました。彼を見た兄たちの中には、彼を殺そうと言う者もいましたが、正妻レアの子達は、比較的安定した心理状態でおれたのか、長男のルベンは彼を助けようとし、ユダは殺さないで奴隷に売ることを提案しました。結局、ヨセフはイシュマエル人の隊商に売られ、エジプト王パロの侍従長の奴隷とされました。不思議な主の御業実現への第一の備えでした。

唄野 隆




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