聖書一日一章メッセージ集


                       

創世記 34章

「割礼を受けていない者に、私たちの妹をやるような、そのようなことは、私たちにできません。」

                    (創世記 34:14)

 ヤコブは、彼の信仰の原点であるベテルに行くべきだったのですが、多分、経済的利益にひかれてのことでしょうが、その地方の交易の中心だったシェケムの近くに住みました。ヤコブの娘デイナは、豊かで華やかな町に好奇心をもち、その町の娘たちのところへ行きました。族長ハモルの息子シェケムが彼女を見て、これを捕らえ、辱めました。その地域では、若い男が気に入った若い娘と性関係を結ぶのは、普通だったのでしょう。地域の風俗習慣を知らずに好奇心にひかれて行動する危険を思います。箴言には、好奇心に引かれて遊女に近づく若者の愚かさが指摘されています(箴言7:6−23)。しかし、ハモルもシェケムも、主を知らぬ異邦人としては紳士的でした。正式に結婚を申しこみ、多くの贈り物も用意しました。しかし、ヤコブの子らは、「割礼を受けていない者に、私たちの妹をやるような、そのようなことは、私たちにできません。」と答え、彼らが割礼を受けるなら、同意しても良い、と答えました。そして、その地の男子が皆、割礼を受け、動けなくなったとき、レビとシメオンが彼らを襲って皆殺しにしました。主の民だという自分たちの正しさを守るためということでしょうが、正義にも愛にも反する行為でした。そのとき主はヤコブにベテルへ行けと言われました。悔改めて信仰の原点に立ち返れ、と言われたのです(35:1)。私たちも、信仰的正当性を主張して、とんでもない間違いを犯す恐れがあるのではないか、と心して聞きました。

唄野 隆




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