聖書一日一章メッセージ集


                       

創世記 33章

「彼はそこに祭壇を築き、それをエル・エロヘ・イスラエルと名づけた。」

                     (創世記 33:20)

 ヤコブは、激しい霊的格闘を経て、神にすべてを委ねたとき、かつてひどいことをして傷つけたエサウにも裸で身を任せる姿勢で接することができました。それがエサウの心を打ち、真の和解ができたのだと思います。それでも、ヤコブもエサウもその本性は変わっていなかったようです。ヤコブはエサウの気を引くために莫大な贈り物を用意し、子どもたちをも、万一の危険を考えて、四つの集団に分けてエサウに挨拶させました。エサウは、会うとすぐ贈り物のことを持ち出しました。信仰をもっても本性が変えられ、きよめられるまでには、ずいぶん時間がかかるものです。そのためには、絶えず、主を見上げ、主のみことばを聞き、「みことば聴従」に励むことが必要です。エサウは、ヤコブとの同道を提案しましたが、ヤコブは、“私たちは、長旅で疲れている家族や幼い子どもたち、数多くの弱い家畜を抱えていてゆっくりとしか進めないので、狩猟で鍛えられているエサウ一行の健脚の方々との同行は難しい、どうぞお先に、そのうちあなたの本拠地セイルへ参りますから”答えて、二人は分かれました。後に父イサクの葬儀は一緒にしていますから(35:29)、二人の和解は本物だったのでしょうが、生活は別々になりました。エサウは昔のまま変わらないエサウだったようですが、ヤコブは、主の民の先祖と変えられていきました。それは彼が行く先々で祭壇を築いたところにあらわれているように、いつも主を仰ぎ、主のみことばを聞いて歩んだからです。

唄野 隆




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