聖書一日一章メッセージ集


                       

創世記14章

「あなたの手に、あなたの敵を渡されたいと高き神に、誉れあれ。」

                     (創世記 14:20)

 アブラムの時代、中東世界の覇者はエラムの王ケダルラオメルだったようです。ソドムとその周辺の小国もケダルラオメルに従いましたが、12年目に、ソドムの王ベラを中心にして、ケダルラオメルに背きました。ケダルラオメルは、シヌアル、エラサル、ゴイムなどの同盟軍を率いて、カナン周辺の諸国を征服し、ソドムの王をかしらとする5人の王の連合軍を打ち破り、それら諸国を略奪して引き上げました。そのとき、ロトとその全財産も奪いました。ロトは、アブラムと別れたとき、豊かな地域を選んでそこに移り住んだのですが、豊かさを求める生き方から、道徳的に堕落していたが経済的には豊かであったソドムにひきつけられていったのでしょうか、ソドムに住んでいて、この難に遭ったのです。アブラムは、そのことを聞くとすぐ、家の子郎党318人を集め、凱旋中のケダルラオメル同盟軍を追いました。そして夜襲をかけて、敵を追い散らし、ロトを救い出しました。自分の勢力を伸ばすための戦争ではなく、ロトを救い出すためだけに戦ったのです。今で言えば、片田舎の大家族が、アメリカ主導の連合軍を襲うような無茶な戦いでしたが、主が彼らとともにおられ、奇跡的な勝利を得させてくださいました。そのとき、サレムの王メルキゼデクがアブラムを祝福し、アブラムからのささげものを受け取った出来事は、世俗の世界に神が現われた絵のようです。後に、へブル人への手紙の著者は、ここに、神の大祭司としてのイエスさまの御姿を見ています(へブル7章)。私も、主と共に歩ませてください、と祈ります。

唄野 隆




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