聖書一日一章メッセージ集


             創世記 10章

「以上が、その国々にいるノアの子孫の諸氏族の家系である。大洪水の後にこれらから、諸国の民が地上に分かれ出たのであった。」

                     (創世記 10:32)

 この章は、「これはノアの息子、セム、ハム、ヤペテの歴史である」という書き出しで始まり、「大洪水の後にこれらから、諸国の民が地上に分かれ出た。」ということばで締めくくられています。大洪水で人類はノアの家族以外は死に絶えましたから、ノアから新しい人類の歴史が始まったわけで、私たちもその流れの中にいます。ですから、自分たちのルーツを探ろうとすれば、ここにまでいたるわけです。ハムはノアの末の子で(9:24)、セムはヤペテの兄ですから(10:21)、年齢的にはセム、ヤペテ、ハムの順になりますが、この系図では、ヤペテの系図から始まっています。ヤペテの子孫から海沿いの国々が分かれ出たと記されています。海は広く商取引の場を広げますから、冒険心に富み、利益を求めて活動の場を広げる経済重視の国々を生み出したようです。ハムの子孫は、地上で最初の権力者ニムロデが出たように、権力を求め、平野のあったシヌアルを中心に大きな町々を建てていきました。エジプトやアッシリヤ、バビロンなどは彼らから出ました。セムの子孫は高原地帯をルーツとしていました。箱舟の着地したアラレアテに近く、主の救いを思い返し、主を求める機会が多かったところです。人は、神を崇め、権威の下で秩序を保ち、勤勉に働くものですが、生まれ育ちで、何かに傾く傾向があります。私のルーツを思い返し、まず主に救われたことを確認し、長所を感謝し、欠けを埋めていただくよう、祈り、励みたい、と思います。

唄野 隆




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