聖書一日一章メッセージ集
創世記 6章
「ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行った。」
(創世記 6:22)
カインの子らも、セツの子孫も増え広がったとき、神の子らは、人の娘の美しいのを見て、好きな者を選んで妻にしました。神の子と人の娘をどう理解するかは定かでありませんが、神のかたちに造られ神を信じる者たちも、目に見える好ましさにひかれ、自分の欲望に従って結婚し、その結果、人の考え思いはかることが悪に流れ、全世界に悪が満ち溢れるようになったということでしょうか。それをご覧になって、神が人を造られたことを悔い、それをすべて滅ぼし去ろうと言われました。最上のものを創造するための努力です。画家が「そこそこの作品」は破り捨て最高の傑作をものするまで描き直すことを考えると、この神さまのお気持ちを理解しやすいでしょう。しかし、「ノアは主の心にかなって」いました。主は、ノアに、巨大な箱舟を作るように命じられました。そして、“大洪水を起こし、すべての生き物を滅ぼしつくす、あなたの妻と子、この妻たちは箱舟に入り、また地のすべての生き物を二匹ずつ連れて入り、生き残るようにせよ”と命じられました。近くにその巨大な箱舟を浮かべるような川も海もないところで、特別の大雨の兆候も見られないときに、こんな巨大な箱舟を作るのですから、世間の人々から嘲られ笑いものにされたことでしょう。そういう状況の中で、「ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行い」ました。目に見える状況によらず、人々の評判に惑わされず、主のみことばによって行動したノアの生き方こそ信仰者の歩みではないか、お前はどうか、と迫られるのを覚えました。
唄野 隆 |