黙示録 4章 「先にラッパのような声で私に呼びかけるのが聞こえたあの初めの声が言った。『ここに上れ、この後、必ず起こることをあなたに示そう。』。」 (黙示録 4:1) ヨハネが黙示録の幻を見たのはローマの迫害が起こり教会が大きな苦難に直面していたときでした。ローマ帝国は強大で抵抗できそうにはありませんでした。教会も、生きているように見えても死んでいる(3:1)とか、生ぬるいから吐き出してしまいたい(3:16)と言われる群れを抱えている状況でした。地上の世界で、周りのことや自分自身に目を向ければ事態は絶望的でした。しかし、主は、天の門を開き、天に導き上り、天上の様子を見るように、ヨハネを招かれました。その状況を七つの教会に、そして私たちに伝えさせるためでした。主は、私たちにも、天から見る目を開き、地上の状況を超えた主の御支配を見て心を安らわせ、信仰により、希望をもって、現実の苦境を乗り越える力を奮い立たすように導いてくださいます。ヨハネが見た天上では、主は栄光に囲まれて、御座に座し、御座の回りには、神の民を代表する24人の長老たちが真っ白な衣をまとって座り、七つの御霊の光を受け、前も後も目で満ち満ちた四つの生き物の賛美を聞き、自分たちも冠を投げだして、主を賛美していました。天上から見るとき、今の地上の状況がどんなに悲観的に見えても、恐れることはありません。すべては主の御支配の下にあり、主はすべてを見通し、愛をもって私たちを守ってくださることがわかるからです。その天上に上るように、私たちも招かれています。私も、「ここに上れ。」と言われる主の招きの御声を感謝して聞き、目と心を天に向けます。
唄野 隆 |