ヤコブ書 3章 「私の兄弟たち。多くの者が教師になってはいけません。」 (ヤコブ書 3:1) ヤコブは、ここで、「私の兄弟たち。多くの者が教師になってはいけません。」と言いました。私たちは自分の間違いには目をつぶり、他人の欠点には敏感です。そして、すぐそれを指摘し、正しい道を教えてやろうとします。それは、人を低く見、自分を高しとする傲慢です。ひとを教える前に、まず聞くことが先です。母が子育てについて「親の言うことをよく聞く子どもに育てなさい。」と言ったのを聞いたことがあります。教会では、主のみことばを聞くことに励む者がよい教師となることができるのです。そうでない人は、舌を制することができず、大言壮語し、二枚舌を用います。こういう人は、自分を制することができず、信頼を失い、遂には滅びを招きます。「まずへりくだって聞く者にしてください。みことばに聴き、人の話も聞くことのできる者にしてください。」と祈りました。ことばは生活に裏付けられてはじめて力を持ちます。語る前に生活を整えることが大事です。ですから、ヤコブは、「あなたがたのうちで、知恵のある賢い人はだれでしょうか。その人は、その知恵にふさわしい柔和な行いを、良い生き方によって示しなさい。」と言ったのです。彼は、目に見える生き様は、目に見えない心から出てくることをよく知っていました。ですから、地に属し、肉に属し、悪霊からくる知恵ではなく、上から与えられる知恵によって生活を整えるように勧めたのです。自分の内には罪しかないことを主に告白し、「内から造り変え、上からの知恵によって生活全体を整え直してください。」と祈り、願いました。
唄野 隆 |