ヘブル書 13章
「私たちは、この地上に永遠の都を持っているのではなく、むしろ後に来ようとしている都を求めているのです。」
(ヘブル書 13:14)
ヘブル書の著者は、この章でも、前の章に続いて、兄弟愛をもち、旅人をもてなし、牢につながれている人を思いやり、苦しめられている人を思いやるように勧め、結婚を重んじ、不品行を避け、金銭を愛する生活から遠ざかり、与えられているもので満足するように勧めます。その勧めの根拠は、主が「わたしは決してあなたを離れず、また、あなたを捨てない。」と言われたことにありました。私たちの地上の生活を引き締めるのは、いつもイエスさまがいっしょにいてくださり、私たちとともに歩んでくださっているという確信です。私も、信仰の創始者であり、完成者であるイエスさまから目を離すまい、と心を引き締めました。しかし、信仰の歩みも現実の困難に出会うと崩れ易いという弱さを私たちはもっています。ですから、地上では報いを得られなかったのに信じとおして賞賛を得た信仰の先達を思うことが肝要です。しかし、なお実際に見ないと安心できない弱さが私たちにあります。ですから、私たちに神のことばを語り、指導してくださった指導者たちを見て、本当に信仰に生き抜かれた先輩たちの生き様に目を留め、その信仰にならうことが大切なのです。彼らも地上では豊かな報いを得ていないかも知れません。しかし、私たちの主イエスさまは地上の権力や名誉を捨てて、永遠の都に入られた御方です。私たちも、この世の名誉や幸せでなく、人々には認められなくても主とともにある永遠の喜びにあづかり、主を賛美する者でありたいと思います。
唄野 隆 |