1テモテ 6章
「神の人よ。あなたはこれらのことを避け、正しさ、敬虔、信仰、愛、忍耐、柔和を熱心に求めなさい。」
(1テモテ 6:11)
主人を尊敬するようにという奴隷にたいする勧めは、前の章の続きです。クリスチャンどうしではないかという甘えは交わりを腐らせる危険があります。相手に対する尊敬はどういう場合にも必要なのです。パウロは、牧師として立てられたテモテへの手紙を書き終えようとしたとき、「キリストの健全なことばと敬虔にかなう教えに同意しない」で、議論を吹っかけ、自分の意見を主張してやまない偽教師に注意するように、と警告しました。その頃も偽教師が多く出たのでしょう。偽教師とは、信仰の奥義を語っているようでただことばの遊びに耽り、教えを利得の手段と考える人たちです。人の欲から解き放たれ、与えられたもので満足している敬虔さこそ、真の教師が身につけるべき特質です。パウロは、テモテに、最後に、「神の人よ。あなたはこれらのことを避け、正しさ、敬虔、信仰、愛、忍耐、柔和を熱心に求めなさい。信仰の戦いを勇敢に戦い、永遠のいのちを獲得しなさい。」と勧めました。そして、神と主イエスとを証人として、「私たちの主イエス・キリストの現われの時まで、あなたは命令を守り、傷のない、非難されるところのない者でありなさい。」と命じました。「教えに励みなさい。」ではなく、自分自身の生活を整え、聖徒としての徳を追い求めつづけることを命じていることに目がとまりました。人に教えたり指導したりする前に自分自身のきよめを求める者でなければならないと言うのです。同じことが私たちにも当てはまると示されます。
唄野 隆 |