1テモテ 3章 「人がもし監督の職につきたいと思うなら、それはすばらしい仕事を求めることである。」 (1テモテ 3:1) テモテへの二つの手紙とテトスへの手紙は、教会をどう治めるか、その指導者はどのような人であるべきかを教えていますので、牧会書簡と言われます。パウロの晩年に書かれたものと考えられます。ヨハネは、「人がもし監督の職につきたいと思うなら、それはすばらしい仕事を求めることである。」と語り、教会の指導者のつとめがどんなに価値あるものであるかを示します。責任をもって教会を建て上げることに関わるのは主が最もお喜びになることなのです。昔、ヨーロッパ議会の副議長をつとめておられた方が、若い伝道者たちに、“教会を建て上げることに励んでいる君たちの仕事は何よりも大事な仕事なのだ”としみじみと話されたのを聞いたことがあります。続けて、監督、執事、女執事など、教会指導者を選ぶとき、どんなことに注意するべきかが語られます。“ひとりの女の夫であり、自分を制し、慎み深く、酒飲みでなく、暴力を振るわず、温和で、品位があり、よくもてなし、よく教え”というように、能力よりも、自分を治め人々を育てることに役立つ霊的資質に目を向け、“自分の家庭をよく治め、子どもたちにも尊敬される人であり、教会外の人々にも評判がよい”というように、見掛けやことばよりも生活上の実績を問題にします。それは、主の前に出、正直に主と自分自身とを見るところで育つ霊的資質です。15節以下のイエスさまについての告白に心からアーメンと唱和できるかどうかがその試金石です。お前はどうか、と問われます。
唄野 隆 |