1テモテ 2章 「すべての人のために、また王とすべての高い地位にある人たちのために、願い、祈り、とりなし、感謝がささげられるようにしなさい。」 (1テモテ 2:1) この章では社会生活について心がけるべきことが示されます。まず、指導者たちのために祈り、とりなせ、と命じられます。主は、人々が秩序ある安定した社会で、安心して主を求め主の御栄光を現わすように生きることを望んでおられるのです。社会の安定と平和のためには、指導者たちが正しく歩み、人々の尊敬と信頼とを得ることが大切です。しかし、上に立ち権力や財力を手にすると、人は堕落し、道を踏み外し易いものです。ですから彼らのために執り成し祈ることが大切なのです。しかし暴虐な王のために祈るのは難しいことです。それで、パウロは、この世の指導者たちのために祈ることを命じながら、神さまのことに、またイエスさまの歩みに目を向けさせるのです。“神は唯一であり、神と人との仲介者イエス・キリストもおひとり、イエスさまはすべての人の贖いとしてご自身をささげられた”と語って、上に立つ者に暴力をもって反抗するのでなく、キリストのように耐え忍んで、彼らのために取り成す者であれ、と勧めるのです。そして、男は怒ったり言い争ったりせず、どこででもきよい手を上げて祈るように、また女は自分を見せびらかすのでなくつつしみ深くするように、と命じます。アダムは世界を治めるように命じられ(創世記1:28)、エバは助け手として造られました(創世記2:18)。謙虚に祈る男には従い易いし、慎ましい妻の助けは受け易いものです。自分の願う行動でなく、主のみこころにそった生き方が大切だ、と示されます。
唄野 隆 |