2テサロニケ 1章
「そのことは、主イエスが、炎の中に、力ある御使いたちを従えて、天から現われるときに起こります。」
(2テサロニケ 1:7)
パウロは、テサロニケで伝道し、ユダヤ人の激しい反対に遭い、ベレヤに送り出され、アテネに移り、コリントへ行きました(使徒17章)。そこで、テモテからテサロニケ教会の様子を聞いて、彼らにテサロニケ人への手紙第一を書きましたが、そこで、主の再臨のことを書いたのに、間違った反応をした人々が出たことを知って書いた手紙が2テサロニケだと思われます。テサロニケでは、再臨がすでに済んだと言いふらして人々を動揺させる者、それを聞いてしまりのない生活に引きずり込まれる人々が出ていました。こういう間違いを正すためにこの手紙が書かれたのですが、いきなり叱責するのでなく、まず、苦難の中で彼らの信仰が成長し、互いの愛が増し加わっていることを感謝し、彼らを誇りに思っていると高い評価を表現しています。人は、ただ間違いを正されると反発したり落ち込んだりしますが、感謝と評価のことばを聞くと元気が出、素直に忠言を受け止める備えができるのだ、と示されます。パウロは、テサロニケの人々がその苦難に耐えながら信仰と従順を保っていることをほめ、それは彼らを神の国にふさわしい者にし、神の正しさを示すものだと、苦難の意味を示します。苦難には意味があるのです。彼等は報いとして安息を与えられ、またイエスさまが再臨され、聖徒たちから栄光を受け、信じる者たちの感嘆の的となられます。そして、彼らを迫害する者たちは、厳しい報いを受けます。それらすべては、主の再臨のときに実現するのです。
唄野 隆 |