ピリピ書 4章
「いつも主にあって喜びなさい。もう一度言います。喜びなさい。」
(ピリピ 4:4)
この章では、パウロは、まず、ユウオデヤとスントケという二人の女性に、主にあって一致するように、と勧めています。二人とも、パウロの福音宣教の協力者でした。女性には男性以上に献身的な奉仕者が多くいますが、熱心さのあまり自分とは違ったタイプの人を受け入れないこともよくあるようです。彼ら二人もそうだったのではないかと思います。パウロは彼らに一致を勧め、さらに「真の協力者」に彼らを助けるように頼んでいます。不和になった人たちの間の一致は、しばしば当事者だけでは回復できず、誰かの助けが必要になることがあります。人々を助け一致を育てるのは非常に大事な奉仕なのです。「平和をつくり出す者」は祝福を受けます(マタイ5:9)。一致を勧めたパウロは、突然、「いつも主にあって喜びなさい。もう一度言います。喜びなさい。」と言います。喜びは何か喜ばしいことがあったときに自然に出てくるもので、命令されて喜べるものではないようですが、パウロは喜ぶことを命じています。しかし、喜べないようなときに自分に向かって喜べと命じることが本当の喜びをもたらすことはよくあることです。心を、喜びの源泉である主に向けるのは意志の働きによるからです。喜べと命じたパウロは、寛容を勧め、神さまに何もかもぶちまけて祈るように励まします。そうして神さまとしっかり結ばれるとき、平安が与えられ、喜びが湧き出し、寛容になれるのです。そして他の人々と喜びも苦しみも分かちあうようになります。パウロはそういう交わりをピリピの教会の人々と共にしていたのです。
唄野 隆 |