エペソ書 2章 「あなたがたは、恵みのゆえに、信仰によって救われたのです。」 (エペソ 2:8) 私たちは救いを求めますが、救いを手にいれる働きにおいて自分が主であろうとします。しかし、パウロは、救いの主権者は神であって、人ではない、と宣言します。1章では、神が、はじめから私たちを救うように定めておられたことを語りましたが、2章では、救いは神の一方的な恵みによることを示します。私たちがかつては罪の奴隷であり、サタンの支配下にあったことを思い出させ、救いは、神の愛によるものであり、イエス・キリストの死と復活に合わせられ、キリストとともに新しいいのちに生かされる救いであることを伝え、「それは自分自身から出たことではなく、神からの賜物です。」と宣言します。救いは、私たちの良い行いによるのではありません。しかし、その救いは、私たちが、もとの悪い行いに引き戻されるのを許さず、自発的に、喜んで、良い行いをするように導かれます。そのように生きる者として新しく造りなおされるからです。律法を守り良い行いをして救いを得ようとする歩みは、守れないとさばかれるという恐れと不安につきまとわれますが、愛と全能の力の神のお約束にすがる歩みは平安と希望に満たされます。天と地とすべての人を造られた神の恵みにより、イエスさまの死と復活に基づくこの救いは、モーセに与えられた律法に縛られませんから、ユダヤ人だけでなくすべての異邦人に及びます。ユダヤ人も異邦人も一つにされ、ともに神の家族とされ、主に仕えます。それが教会です。そこに主ご自身が満ち給うのです。
唄野 隆 |