２コリント　１章

「こうして、私たちも、自分自身が神から受ける慰めによって、どのような苦しみの中にいる人をも慰めることができるのです。」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（２コリント　１：４）

　この手紙は、コリント人への第一の手紙が書かれて間もなく、パウロがエペソからコリントへ行き、そこで厳しい指導を与えた後、いったん離れ、旅先からコリントの教会へ手紙を書き、その返事を受けて再び書いた手紙だと思われます。先のパウロのコリント訪問で厳しく叱責された者の悔改めを喜ぶ喜びと、しかしなおも悔改めず反抗を続ける者たちへの厳しさとが示されています。この手紙を読んだとき、まず、「こうして、私たちも、自分自身が神から受ける慰めによって、どのような苦しみの中にいる人をも慰めることができるのです。」というみことばが心に迫ってきました。パウロは福音のために多くの苦難を受け、いのちの危険をさえ感じたほどでしたが、そのような苦しみをも、彼は、自分が自分自身を頼まず、死者をよみがえらせてくださる神をより頼む者となるためであったと受け止め、自分が受ける苦しみは、信者たちの慰めと救いのためだ、と積極的に信じました。そのような姿勢で苦難を乗り越えた経験が、神を知り、信仰を強め、苦しみにあっている人々を深いレベルで慰め励ます力となったのです。お前は、苦しみをそのように積極的に受け止めているか、恐れて逃げ惑い、崩折れているのではないか、と問われます。もう一つ、主は「しかり」、つまり絶対的な肯定の主だ、ということが響いてきました。私たちがどんなにつまらない者であっても、主は「わたしの大事な宝物だよ。」と肯定的に受け止め、生かしてくださることを信じます。

唄野　隆