1コリント 5章 「新しい粉のかたまりのままでいるために、古いパン種を取り除きなさい。あなたがたはパン種のないものだからです。」 (1コリント 5:7) コリントの教会は、多くの賜物に恵まれた、富んだ教会でしたが、いろいろな問題をはらんでいました。4章までに、分派・対立のことが語られていましたが、5章では、性的な汚れのことが取り上げられます。コリントは大きな商業都市で、自由な空気がみなぎり、経済的には豊かでしたが、性的にはかなり乱れていたようです。教会もその社会の空気に汚染されていたのでしょうか、不品行が入り込んでいました。父の妻を自分の妻にした人がいて、律法に禁じられている近親相姦(レビ記18:8)がそのまま容認されている状態でした。この問題にたいして、パウロは、まず彼らの主の前における姿を自覚させ、そこから、なすべきことを示しました。「新しい粉のかたまりのままでいるために、古いパン種を取り除きなさい。あなたがたはパン種のないものだからです。私たちの過ぎ越しの小羊キリストが、すでにほふられたからです。」“あなたたちはキリストによって買い取られた新しいきよい神の民なのだ、だから、古いパン種、つまり生まれつきの人間の欲情に従う生活を捨て去れ”と命じ、“彼を教会からのぞき去れ”と言ったのです。しかし、それは、彼を悔改めに導き、彼の霊が救われることを願う愛から出た勧めでした。ですから、後に彼が悔改めたとき、赦し慰めるように勧めたのです(2コリント2:7)。愛の鞭を振るうことができるのは、主からのきよさと愛によるほかありません。「主よ。そのきよさと愛とをください。」と祈らされます。
唄野 隆 |