ルカ 23章
「あれは他人を救った。」
(ルカ 23:35)
イエスさまはユダヤ人の議会で死刑と定められましたが、ローマの総督の同意なしには死刑は執行できませんでした。それで、イエスさまは、ローマの総督ピラトの下に送られました。ローマ人は、自分を神と言ったということでは死刑にしませんから、ユダヤ人は、イエスさまはユダヤ人の王だと自称しローマに反逆を企てていると言い張りました。ピラトは、イエスさまと話して、イエスさまには罪はないと知り、釈放しようとしました。イエスさまがガリラヤ人だと知ると、ガリラヤの太守ヘロデに任せようとしましたが、ヘロデも罪を認めず、送り返してきました。ピラトは何とかしてイエスさまを釈放しようとしましたが、ユダヤ人たちは「十字架だ。十字架につけろ。」と叫び、反乱を恐れたピラトは、イエスさまを十字架につけることにしました。ローマの総督も、イエスさまの死刑を妨げることができませんでした。民衆もわかっていてイエスさまを十字架につけろと叫んだわけではなさそうです。イエスさまを十字架につけようと働いたのは、人力を超えたサタンだったことがうかがえます。さらにその奥に、十字架の道を選び取られたのはイエスさまご自身だったことも、今までの聖書の記事を読んでくると、よくわかります。イエスさまは訳がわからずイエスさまを十字架につけようとする人々のために執り成し、自分の罪を認めて悔改める者には即座に救いを宣言されました。イエスさまは十字架上でも救い主でした。それは、私たち罪人をご自身の血によって贖い救うためでした。ご自分を救うことはできなかったのです。
唄野 隆 |