ルカ 19章
「それはおまえが、神の訪れの時を知らなかったからだ。」
(ルカ 19:44)
イエスさまは、ガリラヤで神の国のことを語り、病を癒し、悪霊を追い出しておられましたが、時が来たことを知ってエルサレムに向かわれました。道々、神の国の福音を語り続け、エリコまで来られました。そこで、ザアカイという名の取税人のかしらと出会われました。彼はあくどい税の取り立てで財を積んだのでしょうか、金持ちでしたが、人々からは疎んじられていたようです。背が低い彼がイエスさまを見ようとしても、だれも場所を譲ってくれませんでした。彼はイエスさまの通られる道の先の木に登ってイエスさまを見ようとしました。しかし、驚いたことに、イエスさまは彼の所に近づいて、「ザアカイよ。」と彼の名を呼び、「きょうはあなたのところに泊まることにしてある。」と言われました。ザアカイは大喜びでイエスさまを迎え、イエスさまの愛を知り、「私の財産の半分を貧しい人たちに施します。また、だれでも、私がだまし取った物は四倍にして返します。」と言いました。イエスさまとの出会いが彼を今の生活を守ろうとせず、主をお迎えする時に備える人生に変えました。イエスさまはそれから、譬えで、やがて来られる主をお迎えするために、今与えられているつとめを忠実に果たすことの大切さを示されました。そして、ろばの子に乗って、エルサレムに入られましたが、エルサレムが今の繁栄にとらわれず、やがて来るさばきを見越して、つつしんで歩むことの大切さを語られました。今の時の苦しみも繁栄も一時的です。「神の訪れの時」をしっかりと見つめて歩め、と主は今日も語っておられます。
唄野 隆 |