聖書一日一章メッセージ集



堺大浜キリスト教会聖書一日一章

                         雅歌 8章

「私の愛する方よ。急いでください。」
             (雅歌 8:14)
 
雅歌の最後の場面は、娘の、ソロモンに対する、あふれるばかりの愛の思いを歌う歌でひらきます。愛する者とのくちびるを交わす深い交わりを求め、彼に香料を混ぜたぶどう酒、ざくろの果汁を飲ませたいと歌い、彼に抱かれて横たわりたいと赤裸々に彼を恋い慕う歌です。そしてエルサレムの娘たちに「揺り起こしたり、かき立てたりしないでください。愛が目ざめたいと思うときまでは。」と願います。彼女は、どこまでも、外から強いられ誘われたりする関わりではなく、内からあふれ出る愛の交わりを求めるのです。そこへソロモンが現れ、「私はりんごの木の下であなたの目をさまさせた。それはあなたの母があなたのために産みの苦しみをした所。」と歌います。彼女の最も深い所を訪れたことを象徴的に表現したのでしょうか。それに応えて、娘は、「私を封印のようにあなたの心臓の上に、封印のようにあなたの腕につけてください。愛は火のように強く、・・・大水もその愛を消すことはできません。」と二人の愛の激しさ、引き合う求めの強さを歌います。この愛の確認から妹への配慮が出てきます。愛されていることを確認できる者が他者への配慮ができるのです。それから、ソロモンの豊かさをうたい、最後に、「私の愛する方よ。急いでください。香料の山々の上のかもしかや、若い鹿のようになってください。」と歌います。愛し信頼するようになると、そこで満足してしまうのではなく、かえって、もっと切に相手を求めるものなのです。私も、主がもっと早くもっと深くまで入って来てくださることを祈り求めます。

                           唄野隆



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